作家の久世光彦(くぜ・てるひこ)が急死した。
その報を聞いて真っ先に思ったことは、
森繁久弥老人のことである。
90歳を超えた森繁老の社会との接点は、いまや週刊新潮の連載「大遺言書」だけで、これは森繁老が語り、久世がそれを元に書くコラムである。
つい何年か前までは、芸能関係者に不幸があると
「
神様もむごいことをなさる。順番なら私が先なのに・・・」
というような定番コメントとともに姿を見せたが、最近は葬儀会場に現れることはないようだ。
今晩(3日)やっている「日本アカデミー賞(ぷぷぷ)授賞式」、かつては終了直前に会場の森繁老を映し出し、ナンシー関をはじめとする〝森繁ウォッチャー〟たちを安心させたものだが、もう会場にくることはないのだろうなぁ。
森繁を看取る(?)つもりだったナンシー関は、若くして死んでしまったので、本当に森繁老の近況を知ることができるのは、久世のコラムだけだったのだ。
さあ、これから誰が森繁老の世話をするのだろうか。
永六輔は絶対やらないだろうと思うが。
森繁老は120歳ぐらいまで生きて、先に逝った者に定番コメントを送り続けるのかも知れない。